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2008.06.05

国籍法違憲判決(その2)

国籍確認請求事件判決
裁判所ホームページに判決文が掲載されています。

ちなみに,昨日のエントリーで私が書いた,認知の遡及効との関連性について,田原睦夫裁判官が補足意見の中で触れていますが,法的安定性という観点から国籍の遡及的取得という考えには消極的な意見のようです。
ところで,上記田原裁判官の補足意見は,義務教育や社会保障が外国人に及んでおらず,運用上日本国民に準じた取扱がなされているに過ぎないことを指摘しています。逆説的に言えば,国籍の有無が直ちにそのような教育を受ける権利や社会保障を受ける権利の有無に直接に結びつかなかったとしたら,国籍がいわば人の「氏」のような存在に過ぎなかったとしたら,それは単に人を区別するものに過ぎず平等原則違反の問題は生じなかった,ということが言えます。
そうすると,国籍取得の幅を広げることは(もちろん積極的に評価すべきですが),実は根本的な問題解決にはなっていないのではないのではないか,という問題意識を持たざるを得ません。

さて,国側が国籍の取得のために父母の婚姻が必要であるとしていた理屈として,「仮装認知」という問題が挙げられています。確かに「ためにする」認知はあり得ますし,それをどう扱うか,という問題は避けて通ることはできません。とくに認知の場合,婚姻の場合と異なって,誰がどのような目的で認知したとしても,認知された子には何の責任もありませんから,そう簡単に無効というわけにはいきません(民法785条は認知の取消を禁じています)。
あるいはこの問題も,国籍の有無で大きく取扱が異なるという現状を変えて,国籍取得へのインセンティブを減ずることによってしか解決しないのではないか,という気がしています。

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