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2008.11.28

いわゆる「偽装認知」について

先の国籍法違憲判決を受けた同法改正論議の中で,「偽装認知」ということを懸念する向きが少なくないようです。しかし,結論から言って,私は,現在の入管行政の運用状況も考慮するならば,「偽装認知」で入国する者があふれるような事態は起きないだろう,と考えています。
第一に,非嫡出子の認知は,取り消すことができない不可逆的な効果を持つ(民法785条),という点で,いざとなったら離婚・離縁手続をすれば済む婚姻や養子縁組とは根本的に異なっています。
第二に,最高裁は,過去に「認知により法律上の親子関係が発生するには血縁関係にある父又は母においてその子を認知することを要」する,との判断をしています(昭和50年9月30日・最高裁第三小法廷判決,家裁月報28巻4号81ページ)が,その判示内容から推し量ると,いわゆる「偽装認知」ではそもそも認知の効果は生じませんから,国籍取得の効果もないことになるはずです。
第三に,現在の入管行政における審査の実情から推察するに,在留資格等の審査上,認知届が出ているからフリーパスなどということにはならないはずであり,婚外子が出生するに至った事情や認知に至った背景まで事細かに調査されることになるであろうと予想されます。つまり,認知そのものは市区町村役所の窓口で済むとしても,実際に認知された婚外子とその母のための旅券,査証の発給,入国審査や在留資格の認定の段階で,現在の在留特別許可同様にかなり厳しい審査が行われるだろう,と思われます。

「偽装」で入国が認められる一部の人々がありうることよりも,現実に家族としての実体があるのに日本での在留が認められない,一家離散の悲劇をどうなくするか,の方がより重要な課題ではないでしょうか。

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