刑罰の福祉化と福祉の刑罰化
最近,私は,機会がある毎に「福祉と刑罰が逆転し始めた」と言っています。例えば今日も sahi.com から次のような記事が配信されていました。
三重県伊勢市の公用車を傷つけたとして、伊勢署は22日、住所不定、無職A容疑者(36)を器物損壊容疑で逮捕した、と発表した。A容疑者は「悪さをすれば逮捕され、食事にありつけると思った」と供述していると同署は説明している。(asahi.com 12/22 付記事より:ただし容疑者名は当方の判断で伏せました。引用元の記事では実名で報道されています)36歳では,生活保護を受けようとしても何か特別な事情でもない限り,「若いんだから働け」と追い返されるのは目に見えています。「食事にありつけるから」という理由で罪を犯した者に刑罰の名のもとに食事を与えては,犯罪はなくならない,というよりむしろ犯罪を助長するだけでしょう。そうは言っても,釈放されても仕事がなければまた戻ってくるのは目に見えています。釈放された受刑者の面倒を見るのは,結局民間の保護司さんの仕事になりますが,これは実に苦労の多い,本当に頭の下がる仕事です。
それにしてもシャバよりムショの方が暮らしやすい,というのではまさに世も末です。

