2009.08.17

「ヘイト・スピーチ」について

このところ,「情報流通促進計画」で,具体的な事件についての問題提起がなされていたり,前田朗さんが,Blog でこのところヘイトクライムに関する論述を連載されていたりする。先日は,この問題に関する集会も開催されていた(参考:日刊ベリタ : 記事 : 「ヘイトスピーチは許せない。『行動する保守!?』とどう向き合うか。」 当事者を交えた活発な意見交換も)が,日本国憲法の下でも,このヘイト・スピーチというものと表現の自由との関わりを議論しなければならない時が来ているように思う。

大事な問題ではあるが,ここではいくつかの論点を指摘するにとどめておきたい。

  • 「ヘイト・スピーチ」をどう定義するか。

    個別の問題についてさまざまな意見や立場はあり得るし,それが民主主義の基礎である。ある言論活動がヘイト・スピーチであるかどうかを考える場合,異なる意見や存在を許容するかどうか,がひとつの分水嶺と思う。平穏な集会を暴力的に妨害する,あるいは行政当局に圧力をかけて会場使用を止めさせたり,後援を取り消させたりするなどは,もはや他者の言論の妨害であって,表現の自由の範疇を逸脱する行為であり,現行憲法,刑法のもとでも十分犯罪が成立し得る。ひとつの私案としては,異なる意見(あるいは政治的立場,民族,人種など)に対し,寛容な態度を取っているのかどうか,をひとつのメルクマールとすべきではないだろうか。

  • 「ヘイト」に内在する特定対象者への攻撃性

    上記が,客観的態様からの定義とすれば,「ヘイト・スピーチ」の内容に着目した定義も行う必要がある。これは言論の内容の問題になるので慎重に検討しなければならないが,「ヘイト (Hate : 憎しみ,嫌悪)」という概念自体が,その対象たる人々に対する攻撃性を内在していることに注目しなければならないと思う。したがって「ヘイト・スピーチ」は単なる平穏かつ一般的な意見表明に留まらず,特定対象者に対するあからさまな攻撃的行動を指向する傾向を持つのである。

  • ヘイト・スピーチに対する警察・行政当局のあり方

    残念ながら多くの場合,ヘイト・スピーチに対し,警察当局はおそろしく寛大であり,行政当局は極めて小心である。これがまたヘイト・スピーチを唱える者たちに標的とした集会の中止や自治体による後援の撤回などの「成果」を与え,一層彼らを助長している。これは民事介入暴力の問題に良く似ている。そう,ヘイト・スピーチが暴力を伴うとすれば,それはまさしく民事介入暴力といって良い。

  • ヘイト・スピーチに直面した人々は,巻き込まれて共犯化する

    いじめを見て見ぬふりをする子どもが共犯者として巻き込まれていくように,ヘイト・スピーチは,直面した人々をいやおうなく共犯者として巻き込む圧力を持つ。言論の自由の仮面をつけて言論の自由を抹殺してゆくのである。

  • 参考:
  • 前田朗Blog2009.8の過去記事
  • 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)関連エントリ
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    2005.03.04

    外国人摘発のT.P.O

     ご存知のように、2003年10月の法務省入管局、東京入管局、東京都、警視庁 による「共同宣言」以降、非正規滞在外国人の摘発は恐ろしいほどの勢いで増加の一 途を辿っています。  APFS(注:ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY)会員の非正規滞在者も、この間次々と摘発されています。特に2月に入っ てからは運営委員を含む6名の会員が摘発されました(内、2 人は労災で「留置に耐 えられない」との理由で拘束を解かれた)。  2月26日にはAPFS事務所に賃金不払いの相談にやってきた非正規滞在バング ラデシュ男性が事務所を出たところで職務質問を受け入管法違反容疑で逮捕されると いう前代未聞の事態が起こりました。(全文はこちら

    不法滞在者を取り締まること自体はともかくとして,よりによってこんな場所で待ち伏せしなくても良いでしょう。これでは入管法に違反して不法滞在者を雇用し,労基法に違反して賃金を支払わない悪質な雇用主に味方するようなもの。
    不法滞在者は安く,時には無賃金で働かせることができ,しかも都合が悪くなれば入管に通報していつでも追い出すことができるという,一定のニーズ(?)が現に存する以上ブローカーも暗躍を続けるのであって,根源を絶たない限りは不法滞在問題はなくならないのです。

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    2005.01.25

    入管収容施設ってどんなところ?

    私がここであれこれ書くより入管問題調査会のページを一度覗いていただくのが良いと思います。
    某国の人権問題を真剣に問題視しているのなら,日本国内ではせめて人間を人間として待遇してもらいたいものです。

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    2005.01.21

    愛國少年なら大声で歌へ!

    東京都町田市教育委員会は、市立小中学校全校の校長あてに、今春の卒業式・入学式での君が代斉唱について「児童・生徒らに十分な事前指導を行い、他の式歌と同じ声量で歌えるよう指導する」とする通知を出した。通知ではさらに、会場設営や教職員への指導について詳細なチェック項目を設け、式前日に確認を行い、報告するよう求めている。(東京新聞1月21日付記事
    愛國者というのは声が大きくなくてはならないのですね。声量の確認というのはどのようにしてするのか。指導の客観性を担保するためには,騒音と同じようにデシベル値で測定するべきでしょう。 (追記 声量調査というのは既に行なわれているようです。)

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    2005.01.19

    クルド系トルコ人の強制送還

    昨日,難民として日本滞在を求めていたクルド系トルコ人2名が強制送還されました
    UNHCR(国連難民高等弁務官)事務所は,これを国際難民法上で禁止されている「ルフールマン(迫害を受ける危険性のある領域に人を送り返すこと)」の行為にあたると指摘しています。

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    2004.12.21

    メビサちゃんの定住資格認められす

    いわゆるメビサちゃん事件で,入管当局はメビサちゃんに定住資格を認めず,「特定活動」資格のままで在留期間の更新を認める方針のようです。
    ところで「特定活動」というのは果たして何なのでしょう?
    一般には入管に在留資格変更や在留期間更新を求めたがこれが拒否された場合,「帰国準備」のためのごく短い期間だけ,「特定活動」資格での在留が認められています。
    「特定活動」のままで順次在留期間の更新をするのは,極めて特異な扱いです。「特定活動」資格者が就労できるかどうか,仮に外国に出国した際に再入国が可能かどうか,全て入管の胸三寸で決まってしまいます。彼女がやがて学校を卒業したら就職もするでしょうし,海外にも出かけたいでしょう。それを全部いちいち入管の許可を取れというのではたまりません。
    6歳未満の日本人の養子に限り定住資格を認めるとする法務省告示を杓子定規に適用するのは,どう見ても不合理です。

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    2004.12.13

    職務質問はそれでも任意?

    白川弁護士のページから

    警察官による職務質問に対するきわめて模範的な対応。参考になります。
    しかし白川先生のような社会的地位や法的知識のない一般市民が果たして対応できるのだろうか。あらためて職務質問の法的問題を考えさせられる。

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